第264話急いで到着

リリーは病室の戸口に立ち、両脇を二人の警備員に固められたミアが、そのままエレベーターへ引きずられていくのを見つめていた。

ミアの叫び声が、鋭く甲高く、廊下じゅうに反響する。いくつかの病室の扉がそっと開き、すぐにまた閉まった。ナースステーションの看護師たちも一瞬だけ顔を上げたが、すぐに視線をカルテへ戻した。

リリーは追いかけなかった。ただドア枠にもたれ、エレベーターの扉がゆっくり閉じていくのを見ていた。銀灰色の金属の向こうへ、歪んだミアの顔が消えていく。

廊下は静まり返った。リリーは身を翻し、病室へ戻る。手元のスマートフォンの画面が、目に痛いほど明るかった。

着信、不在二十九件。

リリ...

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